森に眠る魚
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角田光代さんは「対岸の彼女」で直木賞を取った作家さんですが、個人的には「八日目の蝉」にノックアウトされました。
角田さんの「森に眠る魚」は「王様のブランチ」で松田哲夫さんのおすすめ、ということで書店で手に取りました。
登場するのは5人の主婦、繭子、かおり、千花、瞳、容子、それぞれ子供を持ち、専業主婦として子育て中。
いわゆるママ友として知り合い、はじめは子育ての悩みを打ち明けあえる貴重な友人として始まった関係。
それがいつしか、「お受験」をきっかけに変質していく・・・・
ママ友、というのはとても微妙な関係です。「ママ友」というのは、「子育て」といいうキーワードで結びついているけれど、それ以外は共有できるものがあるのかないのか不明、という浅いような深いような関係なのだ。
確かにはじめての子育てには戸惑うことが多い。数か月先輩がいるだけでその情報がとても役に立ったり、アドバイスにほっとしたりする。ところがそれは長く続かない。
みんな同じように成長していくわけではないから・・・
1歳くらいまではだいたい同じような時期にねがえりをし、はいはいをし、たっちをする・・・・
でも言葉を話した、数を理解した、絵を描いた、ということが加わってくると途端に、お母さんたちの話題は競争しているかのようになってしまう。
そして最近低年齢化しているお受験。ますますヒートアップしていく母親たち。
競うのが自分自身の力であるような、ないようなところもまた微妙なのだ。
「子供のためならなんでもできる」という母の気持ちが、しだいに、「あの子さえいなければ」「あの人が私より不幸になれば」と黒い気持ちがモンスターのようにもたげてしまう・・・・
そんな人間の性質を丁寧に、そして後半へ向けてぐいぐいと引き込まれるような展開になっていく・・・・
ページをめくるのが怖い、でも止められない。そんな気持ちを久々に感じた。
角田さんの実力に脱帽です。
読めば思い出すと思いますが、この話は幼稚園児を同級生の母親が「ママ友から仲間はずれにされた」ことを理由に殺害してしまった事件をベースに書かれています。
特異な事件ではありますが、ベースに、どの母親でも経験する「ママ友との人間関係の悩み」や「他人への嫉妬」「子供への過剰な期待」「孤独な子育て」などの問題があるため、いろいろと世間の関心を引きました。
「森に眠る魚」はこの事件をベースに非常に丁寧に書かれたホラーだと思います。おすすめです。
角田光代さんは「対岸の彼女」で直木賞を取った作家さんですが、個人的には「八日目の蝉」にノックアウトされました。
角田さんの「森に眠る魚」は「王様のブランチ」で松田哲夫さんのおすすめ、ということで書店で手に取りました。
登場するのは5人の主婦、繭子、かおり、千花、瞳、容子、それぞれ子供を持ち、専業主婦として子育て中。
いわゆるママ友として知り合い、はじめは子育ての悩みを打ち明けあえる貴重な友人として始まった関係。
それがいつしか、「お受験」をきっかけに変質していく・・・・
ママ友、というのはとても微妙な関係です。「ママ友」というのは、「子育て」といいうキーワードで結びついているけれど、それ以外は共有できるものがあるのかないのか不明、という浅いような深いような関係なのだ。
確かにはじめての子育てには戸惑うことが多い。数か月先輩がいるだけでその情報がとても役に立ったり、アドバイスにほっとしたりする。ところがそれは長く続かない。
みんな同じように成長していくわけではないから・・・
1歳くらいまではだいたい同じような時期にねがえりをし、はいはいをし、たっちをする・・・・
でも言葉を話した、数を理解した、絵を描いた、ということが加わってくると途端に、お母さんたちの話題は競争しているかのようになってしまう。
そして最近低年齢化しているお受験。ますますヒートアップしていく母親たち。
競うのが自分自身の力であるような、ないようなところもまた微妙なのだ。
「子供のためならなんでもできる」という母の気持ちが、しだいに、「あの子さえいなければ」「あの人が私より不幸になれば」と黒い気持ちがモンスターのようにもたげてしまう・・・・
そんな人間の性質を丁寧に、そして後半へ向けてぐいぐいと引き込まれるような展開になっていく・・・・
ページをめくるのが怖い、でも止められない。そんな気持ちを久々に感じた。
角田さんの実力に脱帽です。
読めば思い出すと思いますが、この話は幼稚園児を同級生の母親が「ママ友から仲間はずれにされた」ことを理由に殺害してしまった事件をベースに書かれています。
特異な事件ではありますが、ベースに、どの母親でも経験する「ママ友との人間関係の悩み」や「他人への嫉妬」「子供への過剰な期待」「孤独な子育て」などの問題があるため、いろいろと世間の関心を引きました。
「森に眠る魚」はこの事件をベースに非常に丁寧に書かれたホラーだと思います。おすすめです。
by runa123
| 2009-06-30 15:10
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女性麻酔科医るなの日々思うことなど・・・
by runa123
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