お礼を忘れる

今日、ちょっといいなと思った話。

仲良しの助産師さんのところできいた話。
彼女のお師匠さんは助産師の極意は「妊婦さんが自分でうまく産んだつもりにする」ことだそうです。とてもこわくて、とっつきにくくて、愛想のない方らしいけど、お世話になると、妊婦さんの顔をみたり体を触っただけで体調のよしあし、食生活やストレスなどがすぐにわかってしまうのだそうです。そして決して、「○○しなさい。」とか「△△はだめよ。」とはおっしゃらないのだそうです。ただ、さりげなく体によいものを食べさせてくれたり、体を癒してくれたり、つぶやくように助言されたりするそうです。そうすると次第に妊婦さんたちは健康体になっていき、無事にお産を済まされ、「自分で自分を健康にし、お産を成功させた」と思うようになるのだそうです。だから、妊婦さんは「うっかりお礼を言うのを忘れちゃう」のだそうです。
でもそれがお師匠さんの目指すところなんだそうです。

もちろん、医師と助産師で仕事の内容に違いはあっても、同じ医療従事者として、ちょっと見習うべき姿勢かと思います。
そもそも、病気が治るのに、医師や医療がオールマイティではないと思います。治る力を持っている人が適切な医療のアシストを受けるとすんなり回復するし、どうがんばってアシストしても、患者さん本人の治る力が足りなければ命を失うことがある、と思います。
医者はたいてい「お礼」されることで自分の医療の成功を実感するけれど、世の中には「お礼を忘れられる」ことが成功というケースもあるのだな、と思いました。

本当は、患者さん一人一人が自分自身の体を大切にして健康に保つように心がけてくれれば、生活習慣病といわれるものは減少するでしょうし、手術の合併症も下がるだろうなと思います。
それに、治ったときに「自分の力で治った」と思うようになってもらえば、逆に治らなかったときに「医者のせいで治らなかった」と思う人も減ってくるのではないかしら・・・希望的観測でしょうか。

麻酔科なんて、「うまくいって当たり前」と思われているということはまさしく、「お礼を忘れられる」ことが常の摩訶不思議な科なんですがね。笑 だからこそ、うまくいかなかったらとてもとても大変なんですねーこれが。
by runa123 | 2007-02-15 20:18 | お仕事


女性麻酔科医るなの日々思うことなど・・・


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